金曜日, 12月 02, 2005

教職論


「教師は魂の技師である」    
こどもたちはランドセルの中に生活をいっぱい詰め込んで学校にやってきます。
◎ なんといっても楽しいイベント
毎日楽しくて満足感のある学校生活を作ることです。この先生となら楽しいことがたくさんできると思わせることによって子どもは変わります。学校裏の森の中で基地作りをはやらせています。枝や切り株、ダンボールをたくさん持ち込んでの基地作りです。寝る所を作ったり、ハンモックを作ったりと大はしゃぎです。「基地作りなんて初めて」と大喜びの女の子もいます。
4年生を担任した時のことです。前学年の時、トイレットペーパーでトイレをつまらせたり、絵の具を廊下に撒き散らしたり、友達の学用品を取ったりといたずらを続ける3人の子どもを担任しました。そのなかのA君はミニ4駆に大変凝っていたので、さっそくミニ4駆遊びの取り組みを始めました。廊下を走らせるのでちょっと顰蹙をかいましたが、A君の活躍の場を与えようと企画しました。修理が得意だったので、女の子などはA君に修理を頼むことになります。A君の得意な場面ができるとてきめんいたずらをやめていきました。B君にはビデオ係を頼みました。給食を食べながら、みんなにアニメを見せる仕事です。なぜかこれをきっかけにぴったりといたずらが止まりました。その後「こま道場」「お手玉道場」など学級での取り組みが続きました。
毎日の生活に満足感を与えることによって、子ども達は変わっていきます。

◎クラスのルールづくり
集団生活がうまくいかずみんなに迷惑をかける子がいて大変だという声をよく聞きます。確かに近年このような子どもが増えてきました。子供とうまくいかないという前にうまくいく手立てを次々と講じる必要があります。子どもが荒れていたら教師の言葉も響かない。
私は担任するとすぐクラスのルール作りにとりかかります。ルールによって落ち着いた生活をおくることができます。ルールに従って学級を運営していく教師には子どもの信頼感が高まっていきます。
1、掃除・席がえは日直が一周したら行う。
2、給食のお代わりは先生が座った班から。
など係りを決めながら約束を決めていきます。時間割を教師の都合でやたらに変えないことも信頼を得る大切なことです。音楽を楽しみにしている子もいれば、体育を楽しみにしている子もいる。私は教師用の週計画を毎週子どもに配ることにしています。総合学習が始まり、時間割通りにはならなくなりました。どうせ作るなら、子どもにも渡すことにしました。ついでに持ち物や連絡、予定、宿題も書いておけば、連絡帳に書かせる時間も節約できます。

◎言葉遣い
 言葉遣いの取り組みにも力をいれます。乱暴な言葉には乱暴な心が宿ることを教えます。キャッチフレーズにして楽しく取り組みます。禁句シリーズです。先生や友達に何かをしてもらう時には「お願いします。」やってもらったら「ありがとうございます。」をしつけます。けんかの原因で体が触れ合っただけで「なんだよう。」と言うことでけんかになることがよくあります。やさしく「気をつけて。」と言うことでけんかは避けられます。「なんだよう。」はわがクラスでは禁句となっています。心を荒れさせてしまう言葉は「禁句」ということにして取り組んでいます。穏やかな心を育てることも大切と考えています。
「やくざことばなしに」
「注意されたらまずごめんなさい。」
◎書くことが子どもを変える
最後に言うまでもありませんが、作文や詩を書かせながら、子どもの内面をしっかりとつかむことが必用です。毎日子どもの詩を黒板に書き読み合います。それはその子を認める場でもあります。その詩を画用紙に書いて掲示するのですが、自分の詩を掲示してもらおうと子ども達は一生懸命になります。子ども達は認めてもらうことに飢えています。