水曜日, 3月 30, 2016

ユニット型特別養護老人ホームを考える

稲毛区轟町の元機動隊跡地に建設予定されている「特別養護老人ホーム」は千葉市側から「ユニット型」が提示されていると聞き、「稲毛区に特養など福祉施設をつくる会」の世話人会に参加してみました。

これから千葉市側に建設にあたっての要望を出していくそうです。ユニット型施設とはどのようなものかを知った上で要望を出す必要があると思っています。

ユニット型とは個室が基本となります。基本的には10室で1ユニットを構成し中央に共同スペースを設けるスタイルになります。8ユニットとなると80人収容できることになります。

ユニット型の問題点は、職員の人数が通常より多く必要のため、料金が高くなることです。入所したくても料金が高く、あきらめなくてはならない人が出てきています。そして個室のため、職員の目が行き届かないという欠点も心配されています。

東京の例で要介護3の場合、従来型多床室で8万8038円、ユニット型で13万8576円の例が示されています。(ただし、収入や課税金額によって補助金や助成制度が適用される)約5万円の差があります。

それでは従来型の特別養護老人ホームには個室がないのかというとそうではありません。特別養護老人ホームで従来型だが個室と二人部屋で構成されている施設もあります。ユニット型と従来の多床型の併設を要望する方法もあるが、従来型でも個室は準備してあるということです。

元機動隊跡地に建設予定は特別養護老人ホームの他に、保育所、障害者施設の3施設が計画されています。同じ敷地にこの3施設ができることはうれしいことです。お互いに交流できるからです。お年寄りにとってかわいい子供たちが遊んでいるのを見るだけで元気になります。「子供セラピー」と言っていいでしょう。

隣に轟町小学校もあり、お互いの交流ができるように設定されると理想的です。私は小学校に勤めていたとき、地域の老人ホームとの交流(一緒に遊んだり踊りを見せたりした)や障害者施設の交流(夏祭り)をしてきました。

3施設の共有ガーデンができ、お年寄りや子供たちがここで散歩したり、遊んだりできたらいいのではないでしょうか。子供たちの声を聴いているだけでもお年寄りは笑顔になります。

特養ホームの中にできるホールは、子供たちや地域のボランティアの人たちが踊ったり演奏したりできるステージがあり、地域の人たちが会議や講演会などができるようなものになればいいと思います。

ところで、現在問題になっているのは、いくら100床の施設ができても職員が確保できなくてベッドが空いてしまうことです。介護職員の給料が少なくて職員が集まらない悩みを抱えています。建物ができても職員が集まらなくて開所が遅れる施設が出ています。未確認ですが「100床で約40名から50名の職員が必要」と聞いたことがあります。低報酬で50名の職員を集めるのは大変なことのようです。

千葉市への要望の中に、介護職員の処遇改善の手立てを講ずることも入れてほしいと思います。